ABWを体現しているコクヨのライブオフィスを見学してみた!
“ABWが理想的なオフィススタイルというのは分かるけど、実際成り立つのだろうか?”
“フリーアドレスさえ珍しい日本企業において、ABWは机上の空論なのでは?”
そんな声がよく聞こえてきます。
そこで先日、ABWを実際のオフィスで体現しているコクヨ株式会社のライブオフィスを見学してきました。
結論からお伝えすると、ABWは日本でも実践可能です!
今回は、コクヨのライブオフィス見学を通して分かった、ABWスタイルを成功させるヒミツをまとめました。
これからオフィス改革に取り組もうと考えられている方は、ぜひご参考にご覧ください。
現在のテーマはABW!移り変わるコクヨのオフィスデザイン改革とは?
コクヨはこれまで、社会背景に合わせて働き方を変化させ、それを検証する場所として自社のオフィスを公開してきました。
設立から約50年の間、様々な変遷をたどってきたのですが、現在のテーマは
「ABW~業務や気分に応じて時間と場所を自ら選択できるワークスタイル~」です。
ABWとは、ワーカーの能力・チーム力を最大限引き出せる状態を実現するため、業務内容やその時の気分に応じて働く時間と場所を自ら選択できるワークスタイルのこと、コクヨの社員は、スーパーフレックス勤務(コアタイム無し)や定時勤務など、部門や職種、個人の事情等に応じた柔軟な勤務制度のもとで仕事をしています。
また、メインオフィスの他に、コワーキングスペースやカフェ、レンタルオフィスサービス、在宅ワークなど、仕事の内容や予定に応じて、多様な場所を選択しながら業務を行うことができます。
また、メインオフィスにおいても、フリーアドレスであることはもちろんのこと、オフィス内に様々なエリアがあって、社員の方はその時の業務内容に合わせて自由な場所で過ごすことができ、社員間のコミュニケーションは、オフィス内でのリアルな会話をはじめ、メールやチャットなどを通じて行われています。
ABWには、社員の生産性やクリエイティビティの向上以外にもコスト削減というメリットがあります。
例えば、社員数800名のコクヨの場合、通常オフィスは1人3坪と考えて合計2400坪が必要となるところですが、ABWを取り入れることで、オフィスの人口密度が減り、1500坪(1人1.8坪)の縮小が可能となります。
それを都内のオフィス平均坪単価、3万円/坪で換算すると、賃料試算は、通常1年で7200万円かかるところが4500万円となり、約60%程度になります。
コクヨは、3~5年先の日本のオフィス環境を自ら先人となって体験し、そこから導き出されるGOOD&BADをお客様に共有することで、日本企業のより良いオフィス環境作りに役立ててほしいと考えています。
さて、ここからは、先日見学させて頂いた品川SSTのライブオフィスの様子をご紹介していきたいと思います。
こちらのツアーは、コクヨの社員の方々実際に業務を行っている中を、ぐるぐると見学して回らせていただくという内容でしたので、リアルなABWオフィスの利用状況を垣間見ることができました。
ABWスタイルのコクヨライブオフィス見学ツアー~エントランス~
こちらは、エントランスです。
こちらのモニュメントは、コクヨのデザイナーの方がデザインされたものとのことです。
ノートの製造から始まったコクヨが、時代の流れと共に文具、オフィス家具、オフィスデザインそして働き方デザインへと事業を進化させてきた過程、そして今後も絶えず進化し続けるという信念を表現しているのだそうです。
床は、敢えて規則性のないモザイクタイルになっており、これは型にはまらず多様性を重んじる意思を表しています。
ABWスタイルのコクヨライブオフィス見学ツアー~個人ロッカー~
ABWスタイルのオフィスに欠かせないのが個人ロッカーです。
こちらは、メインエントランスから一番遠い位置に設置されており、全社員が出社時に必ずそこへ立ちよらなければならない仕組みになっています。
敢えて部門ごとエリアごとに分散させないことで、部門を超えた社員同士の偶発的な出会いやコミュニケーション活性化の場になってほしいという思いがあるのだそうです。
ロッカー間の通路が最低限の幅に設定してあるのも印象的で、そこには社員の方々に道を譲り合える優しさや心の余裕を持ってほしいという願いが込められています。
ABWスタイルのコクヨライブオフィス見学ツアー~執務エリア~
メインフロアは、ABWを絵に書いたような開放的で多様性があって、おしゃれなデザインのオフィスです。
個室ブース席やオープンデスク、ハンモック席やミーティングコーナーなど、様々なタイプの座席が用意されていますが、個室ブースについては敢えて予約制にしておらず、個人の裁量に任せて譲り合って使用するルールになっています。
ハンモック席は女性に人気なのだそうです。
“業務場所がたくさんあっても、結局どこかに固まって仕事していたり、使われていない場所があるのでは?”と思われがちですが、コクヨのライブオフィスでは、社員の方が一箇所に偏ることなく、自然とまんべんなく散らばって業務している様子でした。
また、社員の方々がとても生き生きと楽しそうに業務されている様子もとても印象的でした。
ABWスタイルのコクヨライブオフィス見学ツアー~多目的エリア~
こちらは、POOL(プール)と呼ばれている多目的エリアです。
イベント、ランチ、プレゼンテーションなど、様々な用途で使用されているハブスポットの一つです。
カウンターには、複数名のコンシェルジュが常駐しており、備品や営業ツールの補充など様々なサポート業務を代行してくれています。
プール内のスクリーンでは、SNSやWEBの業務に関わる様々な情報がアップされているのですが、それらもコンシェルジュが、インターネット検索してアップしてくださるのだそう。このような仕組みを取り入れることで、社員方々がコア業務に専念できるようにしています。
ABWスタイルのコクヨライブオフィス見学ツアー~会議エリア~
こちらは、CAMP(キャンプ)と呼ばれる会議空間です。
社内の透明性を保たせるという狙いがあって、このようなセミオープンな作りになっているのですが、現状社員間では賛否両論あり、会議に集中できない、会議空間として使用しづらいといった、課題視する声の方が若干高いとのことです。
このようなチャレンジングな取り組みやそこから生まれる良い・良くないといった評価も、ライブオフィスから得られる貴重な情報の一つです。(ちなみに、クローズな会議室も用意されています。本記事の1枚目の写真はクローズド会議室が並ぶ通路です)
今回見学させて頂いた、品川SSTライブオフィスの詳細
●住所:〒108-8459 東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス18F
●営業時間:平日8:45~17:30
●総面積:4820㎡(1460坪)
※ 品川SSTライブオフィスは、現在営業アテンドのみのご案内となり、WEBでは予約を
受け付けておりません。
その他、霞が関ライブオフィス、梅田ライブオフィス、名古屋ライブオフィスなど全国のコクヨでライブオフィスが展開されています。
詳細は下記のWEBサイトをご確認ください。
https://www.kokuyo.co.jp/com/liveoffice/
お気軽にご連絡下さい!
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