オフィスデザインに関わる方必見!提案依頼書(RFP)の作成イロハ
最近、オフィスデザインのご相談をいただく際に、提案依頼書(RFP)を準備されているお客様が増えてきました。
提案依頼書(RFP)は、限られたスケジュールの中で効率的にオフィス移転・リフォームを進めたり、希望に沿ったオフィスデザインを実現したりする上で、とても有効なツールです。
そこで今回は、初めてオフィスデザインに関わるという担当者の方向けに、提案依頼書(RFP)作成の基本を解説したいと思います。
オフィスデザインにおける提案依頼書(RFP)とは?
オフィスデザインにおける提案依頼書(RFP)とは、移転・リフォームを依頼するオフィスデザイン会社向けに作成する、要望書類のことです。
新しいオフィスのコンセプトなどが決まっている場合、あるいは必須事項などがある場合には、それらを分かりやすくまとめておくことで、イメージに沿ったオフィスを創ることができます。
特に、コンペでオフィスデザイン会社を選ぶ場合は、提案依頼書を元に提案してもらうことで比較しやすくなります。
また、デザインコンセプトが決まっていない場合でも、移転・リフォームの目的やスケジュール、今のオフィスの改善点などを資料にしておくことで、関係者と共通認識を持って進められる他、社内での情報共有も効率良く行うことができます。
オフィスデザイン向け提案依頼書(RFP)を作る前の準備
良い提案依頼書(RFP)を作るためには、まず準備が大切です。
準備すべきことは、大きく分けて6つあります。
●オフィス移転・オフィスリフォームの目的を明確にする
今回、オフィスを移転あるいはリフォームする目的を明確にしておきましょう。
目的というのは例えば、「増員のための拡大移転」「採用力を上げるためのリフォーム」「テレワーク導入によるオフィス縮小」など、様々なケースがあります。
目的が複数ある場合は、そのすべてをピックアップしておくようにしましょう。
提案依頼書(RFP)に明記されている目的によって、オフィスデザイン会社が提案する内容も大きく変わってくることになります。
●予算を確認しておく
今回のオフィス移転・リフォームにかけられる上限予算を社内で確認しておきましょう。
“予算は提示しないので、お任せで提案してみてもらいたい”というお客様も多いのですが、目安予算だけでも提案依頼書(RFP)にも記載しておくのがおすすめです。
オフィス移転・リフォームのコストはピンからキリまで幅広いため、目安予算がないと後々の費用調整に手間がかかってしまいます。
●退去日・入居日を確認しておく
オフィス移転・リフォームにおいて、退去日、引越し日の確認は大変重要です。
オフィスデザイン会社は、提案依頼書(RFP)に明記された退去日や入居日から逆算して、デザイン・レイアウト調整、着工、竣工、原状回復工事のスケジュールを立てることとなります。
与えられた期間によっては、施工や家具の注文が間に合わない場合もあり、提案できるオフィスデザインにも影響してきます。
退去日、入居日についてはビルとの契約で決められていることも多いため事前に確認しておくようしましょう。
●社内の役割分担を明確にしておく
オフィス移転・オフィスリフォームに携わる社内メンバーとその役割を明確にしておきましょう。
役割とは、オフィスデザイン会社の窓口となる担当者、社内調整担当、デザインや予算を決定する最終責任者などです。
オフィスの規模や内容によっては、1人で担当されることもあります。
●必須事項や特殊設備をピックアップしておく
業種上必要な設備をピックアップしておくようにしましょう。
例えば法律事務所の場合は資料や書籍を設置する本棚が必須であったり、通販企業の場合は、商品の撮影ルームが必要であったりします。
またサーバールームや倉庫が必要な場合にも、必要なスペースを事前に調べておくようにしましょう。
●ビルの図面や契約書を準備する
今入居しているオフィスと、新しいオフィス、両方の図面と契約書を準備し、提案依頼書(RFP)に追加資料として添えるようにしましょう。
今入居しているオフィスについては、原状回復工事において必要となります。
また、新しいオフィスについては、レイアウトプランを立てる際に必要となる他、工事の際の注意事項や、B工事業者の指定あり・なしなどを、事前に確認しておく必要があります。
オフィスデザイン向け提案依頼書(RFP)の必要項目とは?
ここからは、実際に提案依頼書(RFP)に盛り込むべき項目を解説していきます。
●オフィス移転・リフォームの目的
●賃貸借契約日(入居可能日)と原状回復工事完了日(退去日)
ビルとの契約書を確認の上、正しい日時を明記しましょう
●スケジュール
提案依頼説明会開催日、質疑応答期間、プレゼンテーション日、オフィスデザイン会社決定日、引越し日など、変更できないスケジュールを提案依頼書(RFP)に明記しましょう。
●新しいオフィスのコンセプト
新しいオフィスデザインに求めること、実現したい働き方、理想の空間などを、できる限り具体的に明記しましょう。
●新しいオフィスに必要なスペース
執務スペース、会議室、エントランス、リフレッシュスペース、キッチンといった、オフィスに必要なスペースを明記しておきましょう。
特に執務スペースについては必要な座席数を明記しておくことが大切、レイアウトに大きく関わるポイントです。
●オフィス家具・什器の新調・転用について
それぞれのスペースに必要な家具や設置したいツールを明記し、それらを新調するのか?転用するのか?など、希望も含めて提案依頼書(RFP)内にまとめておきましょう。
希望の家具メーカーがある場合にも、ここに明記しておきましょう。
●プレゼンテーションでの提出資料
プレゼンテーションの時に提出してもらいた資料を明記しておきましょう。
レイアウト図、デザインイメージパース、マスタースケジュール、見積書などが代表的な提案資料です。
●費用のお支払いについて
デザイン提案までの作業に関する費用のお支払いあり・なしや、正式な採用決定後の総費用に関するお支払い時期・方法について明記しておきましょう。
また、提案依頼書(RFP)とは別途に提供する資料としては、下記のようなものがあります。
・現オフィスの図面・レイアウト図・ビル規定書
・新しいオフィスの図面・ビル規定書
・コーポレートデザインマニュアル
など
オフィスデザイン会社目線で伝えたい、提案依頼書(RFP)の書き方のコツ
●事業内容と組織体制が明記されているとレイアウトイメージが湧きやすい!
お客様の事業内容や組織体制を知っておくことで、社員の方がオフィスでどのように過ごされているのか?どのぐらいの時間オフィスにいらっしゃるのか?という点が明確になり、デザインやレイアウトを考える上で大変参考になります。
また、業務の流れを知ることで、ベストな導線を組むことにも繋がります。
●オフィスデザインのイメージだけでも明記されていると嗜好を認識しやすいです!
オフィスデザインについて具体的な希望がない場合でも、色、形、素材など、何かイメージしているものがあれば明記していただけると、お客様と嗜好を一致させやすくなります。
好みのオフィスの画像や事例などがあれば、提案依頼書(RFP)とは別途の追加資料として提示していただきたいです。
画像や事例がない場合には、ナチュラル、開放的、メタリックなどといった、キーワードを伝えてもらってもよいですし、反対に、このようなデザインは避けてほしいといった、NGイメージも参考になります。
●あったら嬉しいスペース・設備を明記してもらえると、ワンランクアップした提案ができる!
例えば、個室ブースや喫煙ボックス、バーカウンターなど、必須ではないけども、あったら嬉しいスペース・設備などは、広さによって追加できる可能性もあります。
理想をすべて叶えることは難しいかもしれませんが、要望は自由に提示していただきたいです。その際に優先順位もつけていただけるとより工夫しやすくなります。
●今のオフィスにおける不具合や改善したい点を明記しましょう!
今のオフィスを使っている上で気になっている点(例えば会議室の音漏れや掃除がしづらいなど)があれば、提案依頼書(RFP)に明記していただきたいです。
お客様にとってより働きやすいオフィス提案に繋げられます。
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