【モチベーション理論から紐解く】社員の意欲を高めるオフィス作りの工夫
有名なモチベーション理論の一つ「マズローの欲求5段階説」を知っていますか?
人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされるものです。
第一階層は、食べたい、飲みたい、寝たいといった「生理的欲求」
第二階層は、安全な居場所や健康といった「安全欲求」
第三階層は、組織やコミュニティに属したり、仲間が欲しいといった「社会的欲求(帰属欲求)」
第四階層は、他者から認められたい、尊敬されたいといった「尊厳欲求(承認欲求)」
第五階層は、自分の能力を引き出したい、高めたい、何かを創造したいといった「自己実現欲求」
この第三階層までが、外的に充たされたいという“低次欲求”であり、第四、第五階層は内的に充たされたいという“高次欲求”にあたります。
そして、仕事のパフォーマンスに直結するのは第四、第五階層の高次欲求であり、特に第五階層まで到達した社員を一人でも多くの増やすことが企業の成長を加速させると言えるでしょう。
そこで今回は、このモチベーション理論に基づいて、第一階層から第四階層までの欲求を充たすオフィスデザインの工夫をご紹介します。
オフィスを我慢する場所でなくストレスを取り除ける場所にする方法
アマゾンジャパンの「社員が安心、安全、快適に、モチベーション高く過ごせる空間」というオフィステーマは、まさにマズロー欲求の第一階層、第二階層を充たすことを意味していると思います。
具体的には、シャワールームや専任の施術士が常駐するマッサージルームを完備するなど、オフィスは様々なストレスが溜まる場所という定説を打ち破り、ストレスを取り除くことに力を入れています。
生理的欲求の中でも“食欲”は、仕事のスピードやクリエイティビティにも大きな影響を及ぼす要素、食堂というほど大きな設備でなくても、スナックや軽食の提供やオフィスコンビニの設置、出前リストの作成・共有など、コストをかけずに社員の食生活のサポートをする方法も色々あります。
長時間PCと向き合うIT企業はイスとデスクが身体に大きな影響を与えるため、ある会社では様々なタイプのイスとデスクを準備し、体型や体質に合ったものを社員自身で選べるようにしているそうです。
また、グローバル企業であれば、オフィスの看板や表示を多言語することも、安心欲求を充たすことに繋がりますね。
従業員のエンゲージメントを高めてモチベーションをUPさせる
企業と従業員が信頼関係を築き、互いに信頼し合う概念や企業と従業員の愛着精神を「従業員エンゲージメント」といい、昨今様々な企業でこの従業員エンゲージメント調査が行われています。これはマズロー欲求でいう第三段階「社会的欲求(帰属欲求)」がいかに充たされているかをはかることにも繋がります。
エンゲージメントを高める方法の一つに企業ブランディングの強化があります。
例えば、企業ロゴをオフィスのエントランス、床、天井、ブラインド、会議室のスクリーンなど、様々な場所に表示する、企業のテーマカラーをオフィスデザインのメインカラーに
設定することは視覚的な効果を期待できます。
また、社員同士の信頼関係もエンゲージメントに大きな影響を及ぼします。仕事の枠を超えてコミュニケーションを取れるような社内イベント、例えばバースデーパーティや家族のオフィス見学などは帰属意識を高めます。少人数の会社であれば月1ランチ会をするだけでも関係性は変わります。その為には小規模でも、仕事モードをストップできる、リフレッシュスペースが不可欠です。
チャレンジしやすい環境をつくるためのオフィス家具選び
社歴や経験が浅くても新しい事にチャレンジできる環境は、マズロー欲求の第四段階「尊厳欲求(承認欲求)」の充足に繋がります。
主にベンチャー企業においてよくあるのが、事業部の組織変更や新チームの設立、オフィス移動などが早くできるようにしていること、解体・組み立てが簡単にできるタイプやイスを回転するだけですぐにミーティングがスタートできる機能性の高いオフィス家具が便利です。
また、新入社員のデスクには歓迎のバルーンを設置し、声をかけやすくすることで周りの人間からのサポート体制を整えたり、入り口から執務室、会議室の動線など、業務効率が最大限よくなるようなレイアウトが設計されるなどスピード感を維持する工夫も重要です。
さらに、社内MVPや新人賞など表彰制度を作り、それらを社内のビジョンやモニターで紹介するのも効果的です。
会社にとってもメリットが大きいライフワークバランスの向上
ライフワークバランスとは何か?中には、“仕事をし過ぎずプライベートな時間を増やすこと”と間違った認識をしている人もいますが
正しくは、自分の成長に繋がる新しいスキルを身につける→それが仕事のパフォーマンス向上や効率性に繋がる→仕事が早くできるようになり、さらなるスキルアップの時間に使えるといった「生活と仕事の相乗効果・グッドサイクルの構築」を意味します。そしてそれは仕事のモチベーションUPにも繋がります。
ライフワークバランスを整えるためにオフィスができることは色々あります。例えばライブラリースペースを作ること、そこには仕事関連の書籍だけでなく、幅広いジャンルのものを揃えることが大切です。社員オススメの一冊や人生勉強になる漫画などがあっても面白いと思います。また、読書が勉強に集中できるように、そこでのミーティングや私語を禁止する、ジャズやヒーリング音楽など落ち着けるミュージックを流すなども効果的です。
また、専門の講師を呼んだセミナーや教室を開催するのも良いですね。例えば脳科学のセミナーはいかがでしょうか?脳を知ることで、自分自身とそして他者の気持ちを理解できるようになったり、恋愛や健康などへの理解も深まり、プライベートにもワークにもよい学びが得られると思います。
このようなイベントに対応できるセミナールームは、事務的な雰囲気よりは遊び心を取り入れたデザイン性を持たせるのがオススメ、また内容に合わせて広さやレイアウトを自由自在に変えられるようにしておきたいところです。
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