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【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

オフィスにおける防音対策は意外と盲点です。
オフィスを移転した直後やリフォームを検討している際中には気にならなかった音が、業務が始まってから問題となることがよくあります。
また、防音の部屋は=密閉した個室と考えられる方が多いのですが、音を左右している主な要因が、実は壁、床、天井などの素材であるということはあまり知られていません。

そこで今回は、オフィスにおける様々な防音対策の方法をご紹介していきたいと思います。
オフィスを新しくする際に役立つポイントから、現状のオフィスを防音工事する方法まで、様々な方法を解説していますので、ぜひご参考にご覧ください。

目次

移転・リフォーム前に知っておきたい、オフィスにおける防音対策の基本

【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

オフィスの防音対策を考える際には「遮音性能」について知っておく必要があります。
遮音性能とは、壁が音をどの程度遮ることができるか?を数値化したものです。

例えば、元々70dB(※)であった音が壁を通すことで30dBまで減った場合、壁の遮音性は70dB―30dBで40dBということになります。
(※)デシビル、音の強さを表す単位

一般的に人が無音と感じるのは、20dB~29dBだと言われていますので、それを基準に対策を考えることが必要です。
<騒音レベルの目安>
・ジェット機離陸:130dB
・電車のガード下:100dB
・地下鉄の構内:90dB
・テレビ・ラジオの音、普通の会話:60dB
・畳のすり足:40dB
・夜の郊外住宅地:30dB
・木の葉のそよぎ、囁き声:20dB
※参照サイト:https://office-layou.jp/insulation/

オフィスの場合、会議室、業務スペース、休憩スペース、エントランス、トイレなど、場所によって必要となる防音の程度は変わります。
また業種によっても違いがあり、顧客の機密情報を話す機会の多い士業の場合はより高い防音性が求められますし、来客の少ない企業の場合は必要性が限られてくるでしょう。

防音について神経質になりすぎるのも良くありません。防音対策は材料や工事にコストが高くつくものもありますので、どの程度の防音対策が必要かをオフィスデザイン会社と相談しながら決めていくことが大切です。

なぜオフィスで音が漏れるのか?音の伝わり方と4つの防音方法

【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

一般的に、音の伝わり方には2種類あります。

一つは、空気を通して伝わってくる“空気伝播音”です
これはオフィス内での話し声や電話の音、機械音などが相当します。

もう一つは“、壁・床などを通して伝わってくる“個体伝播音”です。
これは、足音やドアの開閉音、壁を叩く音などが相当します。

防音を行うには、この2つの音の伝わり方を軽減する必要があるのですが、具体的な方法は4つあります。
1,遮音:音の遮断
2,吸音:音の吸収
3,防振:振動の防止
4,抑振:振動の抑制

この中でも、オフィスの防音に関しては、主に遮音と吸音の対策を行う必要があります。

“遮音”でオフィスの防音対策を行う方法

【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

遮音とは、外部で発生した音が壁を伝って内部へ伝わらないよう反射させることを指します。
オフィスの防音においては、この遮音対策が最も重要です。

具体的な方法は大きく分けて5つあります。

まずは、天井の遮音対策です。
最新のオフィスビルの天井は、パネルを固定していない構造(システム天井)になっています。
簡単に外して工事をしやすくするためのものであり、遮音性がありません。
そこで有効なのが、天井のスペックを変更するという工事です。
例えば、既存のシステム天井を撤去して従来の天井に変え、PB(造作壁の下地材)+ソーラトンの2層貼りにするか、または、システム天井の下にもう一つ天井を組むという方法もあります。
これらは、遮音性能が求められる会議室のみに採用することも可能です。

次に、ドア・窓の隙間対策です。
音はドアや窓、壁の隙間から漏れていることが多いので、その隙間をコーキング剤などで埋める、あるいはドアそのものを防音仕様に変えることで音漏れが軽減できます。

次に、壁の補強対策です。
通常壁は、
PB(造作壁の下地材)→LGS(造作壁の軽量鉄骨)←PB(造作壁の下地材)
という素材の組み合わせで構成されているのですが、こちらを
PB→PB→LGS←PB←PB
というダブルボードにするという方法です。
あるいは、壁の中に遮音シートを挟むという方法もあります。

次に、ガラス壁の遮音対策です。
開放感を出すために壁にガラスを採用したいと希望されるお客様も多いですが、通常の壁と比較すると厚みが1cmと薄いため、どうしても遮音性能が下がります。
その為ガラス壁の場合は“二重ガラス”で遮音性を上げる対応をオススメします。

最後は、壁そのものの取り付け方を変えるという方法です。
通常壁は、天井面と床面を挟んで設置するのですが、それをさらに内部のコンクリート部分“スラブtoスラブ”で固定させることで、遮音性をぐっと高めることができます。

“吸音”でオフィスの防音対策を行う方法

【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

吸音とは、外部で発生した音が内部へ反響しづらくなるように音を吸収させる対策のことを指します。

具体的な方法は大きく分けて3つあります。
まずは、ドアの中にウレタンスポンジ吸音材を充填する方法です。
ウレタンスポンジ吸音材は、スポンジ素材のため扱いやすく、録音スタジオや音楽教室でもよく使われています。

次にグラスウールやロックウールを内蔵する方法です。
グラスウールは、リサイクルガラスを原材料に作られた素材で、防音性だけでなく断熱性・防火性も高いです。ロックウールは天然岩石を主原料として作られている素材で、こちらも吸音性、断熱性、耐水性が高い素材です。
これらを壁の中や天井裏、OA下などに敷き詰めることで、音が吸収されて防音できるのです。

次にソーラトン・ジプトンという天井板を採用するという方法です。
ソーラトンは、天井部分のPB(造作壁の下地材)の下に貼り付けるタイプで、ジプトンは天井製鉄に直接貼り付けられるタイプです。
どちらも不規則に穴があいており、それらが吸音の役割を果たします。
ただ、現状回復工事のために塗装していると穴がふさがってきて、吸音効果が下がるので注意が必要です。

レイアウトや最新ツールでオフィスの防音対策を行う方法

【オフィスの防音対策】遮音性能を理解して最適な対策を選択する方法 

ここからは、大掛かりな工事をしなくてもレイアウトを工夫したり、ツールを取り入れることで防音対策する方法をご紹介します。

●レイアウトの工夫
個室と個室の間に別の空間を挟むことで防音対策になります。
例えば、通路や倉庫サーバールームなど人が常設しない部屋を挟みましょう。

●吸音パネルの設置
吸音パネルは、いつでも誰でも簡単に取りはずしができるパネルです。
色・素材・形も様々な種類があり、インテリアの一つとして設置されることもよくあります。

●サウンドマスキング
サウンドマスキングとは、空調音などの背景音を敢えて空間に流すことで音漏れを防ぐシステムです。OnOffを自由に調整できる他、完全無音を好まない場合などに有効です。


ここまで、オフィスに関する防音対策の方法を解説してきました。
ただ、ベストな方法というのはオフィスの内装や業種などによっても大きく変わります。
“うちのオフィスの天井・床に遮音シートは挟めるのだろうか?”
“うちのオフィスで防音対策を行った場合、どのぐらい予算がかかるのかな?”など、
何か疑問や質問がある方は、弊社までお気軽にご相談ください。

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