【働きやすいオフィスレイアウトの作り方】基礎知識・方法・コツ・事例・会社選びまで徹底解説
オフィスレイアウトは、オフィス空間全体の印象や業務の生産性を左右する大事な要素となります。
そこで今回は、初めてオフィスレイアウトを考える人でも手早く最適解を導き出せるように、事前に知っておくべき基礎知識や作り方などをまとめました。
また、小規模でも働きやすいオフィスレイアウトにするポイントや専門会社の選び方、オフィスの規模別事例、オフィスレイアウトのトレンドを知る方法なども解説していますので、ぜひご参考にご覧ください!
- オフィスレイアウトが重要な理由
- オフィスレイアウトを作る前に知っておきたい、快適なオフィスの広さ基準
- オフィスレイアウトを作るための基本の流れ
- 働きやすいオフィスレイアウトとは? 押さえておくべき寸法基準いろいろ
- ベストなオフィスレイアウトに導く9つのデスク配置形式
- 簡単にできる!オフィスをおしゃれにレイアウトにするポイント
- 小規模なオフィスレイアウトを作るのコツ
- 参考にしたい!大規模なオフィスレイアウト事例:100坪
- 参考にしたい!中規模なオフィスレイアウト事例:24坪
- 参考にしたい!小規模なオフィスレイアウト事例:16坪
- オフィスレイアウトをアウトソーシングする際の会社の選び方
- オフィスレイアウトを自社でシュミレーションする方法
- 最新のオフィスレイアウトが知りたい人へ…オフィスラボ活用のススメ
オフィスレイアウトが重要な理由
オフィス移転やオフィスリノベーションを行うときはまず、内装やオフィス家具を考えるという人が多いと思いますが、実はそれら以上に重要且つ慎重に検討する必要があるのがオフィスレイアウトです。
オフィスレイアウトが重要な理由は2つあります。
一つは、簡単に変更・修正できないという点にあります。
オフィスレイアウトは、一度組んでしまうと壁紙やオフィス家具のように簡単に貼り直したり買い替えたりできません。
特に間仕切りやパーティションを立てて行うオフィス全体のレイアウトは、変更するとなると大規模な工事が必要となるため、最初の段階で慎重に検討する必要があります。
もう一つは、業務の生産性に大きな影響を与えるという点にあります。
オフィス内では、社員が毎日様々な行動をします。
出勤する、席で業務する、上司に相談する、資料を取りに行く、会議に行く、トイレに行く、休憩する、同僚と談笑する…etcこれらの行動がスムーズに行えないオフィスは、業務に非効率を生むとともに、社員にストレスを与えてしまいます。
以上のことから、オフィスレイアウトを考える際には、様々な配置パターンを検討した上で、社員にとってベストなパターンを選ぶことが大切となります。
オフィスレイアウトを作る前に知っておきたい、快適なオフィスの広さ基準
おしゃれで快適なオフィスレイアウトを設計するために、まず知っておくべきなのが、社員1人あたりに必要な専有面積です。
従業員1人あたりの専有面積とは、業務スペースの広さだけでなく、会議室やリフレシュスペース、エントランスなど、オフィス面積全体を社員数で割った広さのことを指します。
推奨されている従業員1人あたりの専有面積は2坪~3坪、労働安全衛生法から換算すると最低1.5坪が必要となります。
広すぎても狭すぎてもそれぞれデメリットがあり、また業種によっても変わるため、自社にとって最適な専有面積を割り出すことが大切となります。
今のオフィスでは必要な面積を確保できないという場合は、一つのスペースを複数の用途で兼用したり、フリーアドレスにしたり、ペーパーレスにして収納スペースを減らしたりすることで、狭さをカバーすることが可能です。
※従業員1人あたりの専有面積に関する知識や、賢いオフィスの使い方については、下記の記事で詳しく解説しています。
「【オフィスレイアウト】オフィスにおける1人あたりの占有面積とは?」
オフィスレイアウトを作るための基本の流れ
ここからは、オフィスレイアウトを設計する際の基本的な流れを解説していきます。
ステップは大きく3つに分かれます。
①ゾーニング
②導線設計
③デスク配置形式の決定
①ゾーニング
まずはゾーニングです。
ゾーニングとは、オフィスに必要なスペースを、どこにどのぐらいの広さで配置するのか、大まかにエリア分けすることです。
まずは、エントランス、業務スペース、会議室(数も含めて)など、オフィスに必要なスペースをリスト化し、次に、エレベーター、トイレ、エアコン、水道など、位置変更が難しい設備を予め図面などでチェックした上で、具体的にエリア分けしていきます。
※ゾーニングについては、下記の記事にて弊社オフィスの事例共に詳しく解説しています。
「オフィスレイアウトにかかせないゾーニングとは?」
②導線設計
オフィス全体の導線は、ゾーニングの段階で決まっているので、ここでは主に業務スペースにおける導線設計を行います。
導線設計は、業務の流れや組織体制、固定席orフリーアドレスorABWなどを元に行います。
③デスクの配置形式の決定
最後は、業務スペースにおけるデスク配置形式の決定です。
デスクの配置形式はたくさんあり、求めるオフィス環境によって変わってきます。また、業務スペースの平米数と必要座席数、採用計画なども考慮する必要があります。
(デスクの配置形式については、後述していますのでそちらをご覧ください↓)
働きやすいオフィスレイアウトとは? 押さえておくべき寸法基準いろいろ
働きやすいオフィスレイアウトを組むためには、寸法を意識することも大切です。
ここからは、事前に押さえておくべき色々な寸法基準をご紹介していきます。
●通路幅について
まず1人用通路の場合は最低600mmの幅が必要で、対面ですれ違えるようにする場合は1200mmが必要となります。
また、イスとイスの間の通路やイスと壁の間の通路、複合機や応接室の通路など、スペースによって必要な通路幅は変わってきます。
※通路に関する寸法基準は、下記の記事で詳しく解説しています。
「オフィスレイアウトに必要な寸法基準とは?」
●デスク面積について
1人用デスク幅は800mm~1800mmと製品によって大きく異なりますが、1,000mm~1,200mmが最も一般的です。
奥行きは、製品によって600mm~750mmほぼ差がありますが、約700mmが最も一般的です。
使うPCの種類や仕事中に使う書類・資料などに応じて、デスク面積を選びましょう。
●パーティションの高さについて
パーティションには様々な高さのものがありますが、例えば座った状態で、周りと適度なコミュニケーションが取れるのは約1,000mmです。
一方、座った時に目線が隠れる高さを確保する場合には約1,500mmの高さが必要となり、立った状態でも周りから見えないようにするには約1,800mmの高さが必要となります。
パーティションは種類が豊富で、高さだけでなく素材や色なども様々なので、必要なプライベートレベルや防音の必要性などに応じて最適なものを選びましょう。
※パーティションに関する詳細は、下記の記事をご覧ください。
「オフィスレイアウトの参考に!間仕切りの高さと視線の関係は?」
ベストなオフィスレイアウトに導く9つのデスク配置形式
業務スペースにおけるデスクの配置形式は、主に9つのパターンあります。
それぞれの形とメリット・デメリットをご紹介します。
●向かい合うように配置する“対向式”
<メリット>
スペース効率が良い
<デメリット>
業務に集中しづらい
●同じ方向を向かせて配置する”同向式”
<メリット>
マネジメントしやすい
<デメリット>
事務的な雰囲気になりやすい
●背中合わせになるよう配置する“背面式”
<メリット>
ほどよくプライバシーが確保できる
<デメリット>
イス同士がぶつかる可能性がある
●列ごとに向きを反対にし、間にはパーティションを設置する”左右同向式”
<メリット>
スペース効率とプライバシーを両方確保できる
<デメリット>
狭さを感じる可能性がある
●4台のデスクを卍型に並べる“卍式”
<メリット>
プライバシーとチームワークを両方確保できる
<デメリット>
スペース効率が良くない
●120度のデスクを背中合わせに配置する“ベンゼン式・背面式”
<メリット>
広いパーソナルスペースを確保できる
<デメリット>
広いスペースが必要になる
●120度のデスク3つを向かい合わせで配置する“リンク式”
<メリット>
チームワークが高まる
<デメリット>
個人業務に集中しづらい
●自由に席を移動できるようにする“フリーアドレス式”
<メリット>
オフィスでの自由度が高い
<デメリット>
チームワークが取りづらい
●様々な座席を作り業務内容によって選べるようにする“ABW式”
<メリット>
仕事へのモチベーションを上げやすい
<デメリット>
広いスペースとコストが必要となる
ベストなデスクの配置方法は、組織体制や企業文化などによっても変わりますので、社員とも相談しながら検討するのが良いでしょう。
各レイアウトパターンの図解や、それぞれのメリット・デメリットについては下記の記事でも詳しく解説しています。
「オフィスレイアウトパターン6選!デスク配置見直しで業務効率アップ!」
簡単にできる!オフィスをおしゃれにレイアウトにするポイント
ワンランク上のおしゃれなオフィスレイアウトを設計するポイントは、一言でいうと“自由度”を高めることです。
具体的には、下記のような方法があります。
●間仕切りをおしゃれにする
壁やパーティションでなく、敢えて観葉植物や収納棚、床デザインなどでゆるっとエリア分けすると
こなれた印象になります。
●遊び心をもつ
例えば、オフィス内の意外な場所に隠れ家やおこもりスペースなどがあると、社員はもちろん来社されるお客様とのアイスブレイクにも役立ちます。
●窓の位置を意識して、自然光を有効活用する
自然光に優るナチュラルな明るさは照明では実現できません。なので窓はできるだけ塞がずオープンにしておくのがおすすめ、太陽や空が見えると、社員のマインドにも良い効果が期待できます。
●敢えて何もない空間を作る
オフィスの中心やエントランスなどに余白があると空間に開放感が生まれます。
小規模なオフィスレイアウトを作るのコツ
小規模なオフィスは空間の使い方に制限が多くなるため、レイアウト設計が難しいといえます。
しかし、工夫次第で選択肢を広げることは可能です。
ここからは、小規模なオフィスレイアウトのポイントをご紹介します。
●必要な座席数を見直す
1日の間で最大稼働している座席数は何席あるでしょうか?
コロナ以降、リモートワークの普及などによって、全社員が同じ時間に出社していることが実は減っており、1日一度も使われない座席があるオフィスも少なくありません。
それらの座席分を減らせるとスペースに余裕が生まれ、レイアウトの選択肢も広がっていきます。
●フレキシブルなオフィス家具を採用する
一つのスペースを様々な用途で併用できるようにするというのも一つの方法です。
そのためには、オフィス空間を仕切りすぎず、また簡単にレイアウト変更したり移動したりできるような可動式の什器を採用するのがおすすめです。
●ペーパーレス化を進める
資料や書類の収納は、オフィス内でかなりのスペースを占めています。
これらが減らせると、スペース効率が上がるだけでなく通路の幅も広くできます。
この機会に、業務のデジタル化を進めてみてはいかがでしょうか。
参考にしたい!大規模なオフィスレイアウト事例:100坪
こちらは、2フロアに分かれた100坪のオフィスレイアウト事例です。
ABWスタイルになっており、広い業務スペースに、オープン席、ソファ席、ブース席、ファミレスブースなどが配置されています。
上記は1フロア分のレイアウト図です。
※オフィスの様子は、下記の事例記事で詳しくご紹介しています。
「居場所を選べる快適空間!ABWスタイルのオフィスデザイン事例」
参考にしたい!中規模なオフィスレイアウト事例:24坪
こちらは、24坪のオフィスレイアウト事例です。
コンパクトなスペースをより広く使うために、エントランスからリフレッシュルーム、業務スペースまで間仕切り壁なしでレイアウトし、床材を変化させることで緩やかにエリア分けしています。
※オフィスの様子は、下記の事例記事で詳しくご紹介しています。
「コンパクトでも素敵なリフレッシュルームがあるオフィスデザイン事例」
参考にしたい!小規模なオフィスレイアウト事例:16坪
こちらは、16坪の小規模なオフィスレイアウト事例です。
エントランス、ミーティングスペース、TV会議用個室、業務スペース、休憩スペースを効率よく配置し、収納を最低限にすることで、できる限り空間を広く使えるようにしています。
※オフィスの様子は、下記の事例記事で詳しくご紹介しています。
「天然木材と落ち着いたグリーンでまとめた、和モダンなオフィスデザイン事例」
オフィスレイアウトをアウトソーシングする際の会社の選び方
本当に小規模なワンルームオフィスであれば、自社でレイアウトを組むことが可能ですが、それ以上の広さであったり、間仕切りを立てたいといった場合には設計を専門業者に依頼する必要があります。
オフィスレイアウト設計を請け負っている会社は色々あり、ネット検索や紹介、比較サイトなどで見つけることができます。
その中ベストな会社を選ぶポイントとしては
●自社の要望を聞き、それを元にした提案をしてくれる
●イメージに近いオフィスレイアウト事例・実績がある
●オフィスレイアウトの設計だけでなく、内装工事やアフターフォローまで最後まで責任を持って請け負ってくれる
といったことがあげられます。
スケジュールに余裕がある場合には、コンペで複数社を比較するのがよいでしょう。
オフィスレイアウトを自社でシュミレーションする方法
自社にとって働きやすいオフィスレイアウトを作るためには、業者に依頼する前にまず自社でシュミレーションしてみるのも一つの方法です。
専門知識がなくても手軽に作成できる無料のシュミレーションツールがいくつかあります。
●EdrawMax
●cacoo
●Floorplanner
またツールを使わなくても、エクセルやパワーポイントを使って簡単な図面を起こしてみるという方法もあります。
自社でシュミレーションしてみることで、業者に依頼するときにも要望が伝わりやすく、失敗を防ぐことにもつながります。
最新のオフィスレイアウトが知りたい人へ…オフィスラボ活用のススメ
オフィスレイアウトにもトレンドがあります。
以前は、オープンなレイアウトが主流でしたが、コロナ禍ではブース型や独立型レイアウトの重要が高まったり、TV会議ができる小規模な個室を求める企業が増えたりしています。
最新のオフィスレイアウト事情を把握しておきたいという方にオススメなのが、株式会社オカムラが運営する「CO-Dō LABO」です。
「CO-Dō LABO」は、最新鋭のオフィスを実際に見学できる場所で、ワークスペース・共有スペース・リチャージルームなど様々な空間のオフィスレイアウトをその場で体感してみることが可能です。
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※下記の記事では、「CO-Dō LABO」の詳細を詳しくご紹介しています。
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