弊社のデザイナー達が考える「オフィスデザインの理想形」とは?<座談会レポートVol,1>
今回は、弊社のデザイナー3名に集まってもらい、オフィスデザインについて語り合った座談会の様子をお伝えします。
オフィス移転やオフィス改装時にしか出会うことないオフィスデザイナーという職種。
弊社のオフィスデザイナーはなにを考え、何を思ってお客様のオフィスデザインをしているのか?少しでも、私たちのことやオフィスデザインに対する想いを感じてもらえたら嬉しく思います。
前編となる今回は、3名のデザイナーがオフィスデザインを行う上で大切にしていることや理想のオフィスを創るとしたら?といったことを聞いてみました。
今回の座談会に登場する人物紹介
●ファシリテーター
弊社代表(坪内)
オフィスデザイン・マネジメント歴30年
●デザイナーAさん
オフィスデザイン歴17年
中国で飲食などの店舗やオフィス、建築などの内装デザインを手掛けていた経歴がある
曲面・曲線を使ったなめらかな空間設計や、開放感や透明感のある内装デザインを得意としている
●デザイナーBさん
オフィスデザイン歴17年
Aさんと同様、中国で内装デザインを手掛けていた経歴がある
シンプルまたはシックな空間設計や、高級感のある大人な内装デザインを得意としている
●デザイナーCさん
オフィスデザイン歴16年
オフィスだけでなく、店舗の内装デザインを多数手掛けてきた経歴がある。
造作の家具や間仕切りを取り入れた空間デザインを得意としている
Q:皆さんがオフィスデザインを考える際に大切にしていることは何ですか?
※こちらはデザイナーAさんが手掛けた「ザ・プロアクティブカンパニー株式会社様」のオフィスです。
>デザイナーAさん
大切にしているのは、お客様とのコミュニケーションですね。
お客様が今までこのオフィスをどのように使われていたのか、そして今後どのようなオフィスにしていきたいのか、という要望をお聞きした上で、どうすればそれが実現できるのか、できればその+αをこちらからご提案していく、そういったステップを大事にしています。
あとは、元々のオフィス環境を活かした提案をするということも大切にしています。
例えば、窓が多い、窓からの景色が良い、床の段差がある・ない、天井が高いなど、元々のポテンシャルをできるだけ活かしていくといったことです。
>弊社代表
確かに、コミュニケーションは大事ですよね。
最初はお客様の中でもぼんやりとしていた要望が、コミュニケーションを取っていく中でクリアになってくることがありますよね。
>デザイナーAさん
そうですね、またお客様とやり取りをしていく中で、要望が変化していくということもあります。
パースやレイアウト図といったビジュアル化されたものを目にすることで、お客様の中でも全体像がイメージしやすくなって、自身の好みや希望がはっきりしてくるのだと思います。
そういった意味でも、お客様と丁寧にコミュニケーションをとるということは本当に大切だと思っています。
>弊社代表
Bさんはどうですか?
>デザイナーBさん
私もAさんと同じで、お客様の要望を聞くことやコミュニケーションをとるといったことは大事にしていますね。
加えて、お客様ご自身で気づかれていないような改善点をデザイナーならではの視点で見つけて、解決法をご提案するといったことも大事にしています。
>弊社代表
お客様ご自身で気づかれていない改善点を見つけるというのは・・・?
>デザイナーBさん
美容師さんみたいなイメージですね。
自分ではこういう髪型がよいと思っていても、そのままやったら似合わない場合もありますよね。
そんなとき、美容師さんが”ここはもっとこういう形にしたほうが似合いますよ”と教えてくれたらありがたいじゃないですか。同じような視点をオフィスデザイナーとして持ちたいと思っています。
>弊社代表
なるほど!分かりやすいです!
オフィスデザインと美容院を繋げて考えるのは面白い発想ですね!
Cさんはどうですか?
>デザイナーCさん
私はバランスを大事にしています。
デザインには夢があって、もっと良いものを使って、もっと手間と時間をかけてと考えれば、いくらでもハイスペックでクオリティの高いものはできますが、実際にはコストや時間、広さ、場所などといった制限があります。
ですので、それらの条件を守りつつ、できるだけ理想に近づけたいと考えています。
どうすれば理想と現実のギャップを埋めて、そこでできうる最上質なオフィスがデザインできるのか?といったことを常に意識して考えています。
Q:皆さんが考える「理想的なオフィスデザイン」を教えてください。
※こちらはデザイナーCさんが手掛けた「共成法律事務所様」のオフィスです。
>デザイナーCさん
コストのことを気にしないでよいのであれば、天然素材だけで創ったオフィスは理想ですね。
例えば、壁は塩ビクロスなどでなく左官材を使ったり、床もタイルではなくフローリングにしたりするといった感じです。
やはり天然素材は、そうでないものと比較して見た目や手触りなどが上質です。
また時間が立ってからも、例えばビニール素材だと単純に劣化しますが、天然素材だと味が出てきたりするんです。
ただ、天然素材はコストがかかってしまうのがネックですね。
>弊社代表
オフィスは、だいたい20万円/坪~30万円/坪のプロジェクトが多いですが、天然素材で作るとどのぐらいのコストが必要になるでしょうか?
>デザイナーCさん
坪単価で40万円ぐらいかけられると、素材にもこだわった空間ができると思います。
>弊社代表
Bさんはどうですか?
>デザイナーBさん
“理想”にはいろんな意味があると思いますが、お客様の期待の1歩、2歩上回るようなもの、またはお客様が思ってもいなかったようなデザインができたら理想だと思います。
最初は具体的なイメージにはなっていなかったお客様が、レイアウト図やパースを見ることで、“そうそう、こういったことをやりたかったんだ!”と確信してもらえるような提案ができたらいいですね。
そのためには、どんどん新しいデザインを提案していきたいです。コストオーバーになることもあるかもしれないけど、めげずにチャレンジしていきたいと思っています。
>弊社代表
素晴らしいですね!
コストは、常につきまとう問題ではありますが、お客様の中でも特に代表が中心となって進められているプロジェクトは、お客様自身が要望した以上のものを期待されていると感じることがよくあり、場合によってはコストを見直されるケースもありますね。
Aさんはどうですか?
>デザイナーAさん
オフィスは完成したとき完璧だと思っていても、使っている中で改善点がみつかることもあると思うので、そのための余白を残せるのが理想なのかなと思っています。
敢えて完成させずに、使いながら柔軟に手を加えていくことができるオフィスです。
>弊社代表
なるほど、たしかにそうですね。
実は最近、弊社でオフィスの定期点検サービスを始めました。
元々弊社が携わったオフィスは1年保証がついているのですが、弊社の方からもオフィス引き渡しから1年後にお客様に直接ご訪問をして、不具合がないか現地確認・チェックをしているんです。
お客様の中には、オフィスの不具合をどこに相談すればよいか分からず困っていたという方もいらっしゃって、お伺いすると喜んでくださいます。
また不具合だけでなく、ちょっとしたレイアウト変更やオフィス家具等のクリーニングといったメンテナンスのご相談をその時受けることもあります。
Q:皆さんのオフィスデザイナーとしての仕事のやりがいを教えてください。
※こちらはデザイナーBさんが手掛けた「ファイブナインズ株式会社様」のオフィスです。
>デザイナーAさん
お客様から、“頼んでよかった”というようなお褒めのお言葉をいただくことですね。
あとは、完成後写真撮影などで再訪問したときに、オフィスが実際に使われている様子を見ると、素直に携われてよかったなと思います。
例えば交流の場所として作った場所で、実際に社員の方々が楽しそうにお話されているのを見たり、イメージしていなかった使われ方をしているところを目にしたりすると、徐々に馴染んでいっている感じがして嬉しくなります。
>弊社代表
デザインするときも、それを(オフィスが活用されている様子を)イメージしながら作っていますからね。嬉しいですよね。
Bさんはどうですか?
>デザイナーBさん
後日談的に、完成から1年ぐらい経ったあとでお客様のお客様に評判がいいとか、(素敵なオフィスで)びっくりされる、などといったお話を聞くと携われてよかったなと思います。
あとは、限られたコストの中でローコストだけど良い材料や素材が発見できたときは嬉しいです!
>デザイナーCさん
自分が設計したオフィスがそのまま出来上がって、お客さまが喜んでくれている様子を見ると、そこに至るまでは大変ですが完成したときは達成感がありますね。
>弊社代表
よくお客様から、“御社は設計事務所と工務店を足して割ったような会社だね”と言われます。
それは、弊社がデザインだけでなく工事の部分もワンストップで請け負っているからだと思います。
1つのプロジェクトの中で、前半は設計会社、後半は工務店、完成後はメンテナンスと最後まで責任を持って取り組んでいくというのを弊社のモットーとしています。
☆後編に続く・・・
「弊社のデザイナー3名が感じている、今のオフィスデザインの潮流とは?」
お気軽にご連絡下さい!